最近読んだ本

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李陵・山月記             著 中島 敦    新潮文庫

 

最近読んだ本といっても、去年の夏から体調崩しブログに投稿する元気と本を読む元気がガクっと落ちました。

まあ、それでもぼちぼち本を読んでいました。半ば強制的にブログをやっていかないとこのままズルズルとやらないまま終わってしまう、と思い。今日ここに綴ってるという感じです。

 

さて、山月記。人虎伝をもとに描かれた小説。

どうして詩人が虎と化したか、「臆病な自尊心」と「尊大な羞恥心」という猛獣を飼い太らせた結果であるように詩人の心の内を明らかにしている。あと、哲学的というか形而上学的というのか人間の心と虎の心が交互に変わっていく様。どうして虎になったと怪しんでいたと思っていたら、ふと以前はどうして人間であったかを李陵の心の内を語っている。

日に日に人間である時間が減り、完全に虎と化する、そして人間だった記憶がなくなる様。

輪廻転生というんでしょうか。獣でも人間でも、元は他のものだったんだろう。初めはそれを憶えているが、次第に忘れていき、初めから今の形の物だとおもいこんでいるだけではないか?

そんな本だと思います。

あと、キングダムが好きな方はオススメかも。