ドイツ・ミュンヘン

今週のお題「行きたい国・行った国」

 

僕はこれまでに1回だけ、海外に行った事がある。25歳か26歳の時、1人でドイツミュンヘンに行った。

僕はドイツが好きなのだ。ドイツビールにドイツ文学、ウィンナーも美味しい。

今、村上春樹の「ダンス、ダンス、ダンス」を読んでいる途中。その次に、フケーの「水の精」を読もうと思ってる。

ホテルの精の次は水の精。悪くない。

 

海外旅行に行くために、僕は半年間、英会話で英語を勉強した。今思うと、ぞっとする。

半年で英語がそこまで喋れるかといえば、そんな事は無い。いや、喋れる人はいるだろう。でも僕は簡単な自己紹介くらいしか英語が喋れない。若さもあってか、行きたいと思えば勢いで後先考えずに行った。英語の勉強してる時に、どうしてドイツ語を勉強しないの?と言われた事がある。それは僕にとってあまりに盲点だった。そしてその質問を自分自身に問いかけてみた。どうしてドイツ語を勉強しないんだろう。と。でも結局、答えは出なかった。だから、その質問に答える事ができなかった。

実はこの事が今も胸に引っかかっていて、いつかドイツ語を勉強したいという目標がある。

 

当時付き合っていた女の子に旅行の準備など手伝ってくれて(この子はいろいろ海外旅行に行っている)スーツケースを貸してくれたりもした。

 

ホテルと飛行機のチケットとミュンヘンの空港からホテルまでのタクシーを旅行会社に手続きしてもらって、僕はドイツミュンヘンに向かった。

初めての海外と初めての飛行機。僕はほんとにドキドキした。

飛行機の中に人は混んではいなかった。シーズンオフなのだろう。

飛行機の中で映画を2本観た。そして外を眺め、ハイネケンを飲んだ。

オランダ空港で乗り換え、ミュンヘンへと向かう。オランダ空港で時間があるので、喫茶店でコーヒーを飲んだ。

コーヒーを注文すると、他には?と聞かれた。日本でいう「ご注意は以上でよろしいでしょうか。」だろう。

とてもキレイな英語だった。一言一句キレイに僕の耳に入ってきた。肌の色が黒く、顔が小さくて、スラっとしている。身長は僕と一緒くらい。(僕の身長は173センチ)そして目が綺麗な女の子だった。

まだ時間はあるけど、搭乗席で待っている。

僕は怖いのだ。もし乗り遅れたらどうしようと。

次に乗る飛行機はとても小さかった。

そういえば、税関を通る時、どこ行くの?と聞かれたので、ミュンヘンと答えた。ん?と、とても深く眉間に皺をよせた。僕の発音が悪いのだろうと思い、もう一度言ってみた。でもダメだった。首を振り違うという素振りをして、ミュンヘンではなくてミュンチと言うんだ。と言った。そういう経験はとても勉強になる。とても小さな事だけど。僕はその人にありがとうと言い握手した。

 

ミュンヘンに着き空港に出ると、あっさり出られた。いろいろな所を通り手続きなどすると思ってたからだ。

そして僕の名前が書かれたボード持ってる人がいた。その人の所へ行きタクシーに乗りホテルに向かった。タクシーはアウディだった。

窓から見る風景は完璧にヨーロッパだった。

タクシーの中で僕は彼女の言いつけを思い出してみた。

ホテルの中でも大事な物はスーツケースにしまう事。

チップ制だからホテルでも小銭を置いておく事。

パスポートは常に首にさげる事。

知らないおじさんについて行かない事(これは冗談)

 

ホテルに着き運転手と握手をした。ホテルに入りチェックインをして休んだ。思っているより疲れていたと思う。ここまでどれだけ時間がかかっただろう。携帯の電源はずっと切ったままにした。代わりにウォークマンを持っていた。

これで日本時間がわかる。

比較的安いホテルを選んだけど、ホテルの中のイメージはシックでとても良かった。部屋の中もとてもおしゃれだった。シャワーを浴びてシャンプーを使った。とてもとてもいい香りがした。

 

ドイツに着いて感じた事。

ホテルの朝食のウィンナーでもべらぼうに美味しい事。

真面目な人が多い事。

どこのビールも美味しい事。

どこのトイレも混んでる事。

塩っ辛くてめちゃくちゃ硬くて大きいパンがある事。(ラウンドガールさながら、パンを掲げて歩いてる人がいる)

空気が澄んで、気持ちがいい事。(5日間雨が降らなかった)

歯ブラシのブラシの部分だけがバカに大きい事。

 

 

僕は先ず、ホフブロイハウスのビアホールに足を運んだ。日本にいる時から好きだった。

ここはあまりに有名で観光地にもなっている。ヒトラーが会議した場所でもあるらしい。

ミュンヘン名物ホワイトブルスト(白いソーセージ)を食べ、4種類くらいのビールを飲んだ。どれもこれも美味しい。

店の中は賑やかだった。楽器を演奏している人たちもいた。ウェイターが持ってきたビールジョッキのとって部分はとても熱かった。忙しくて体が熱いのだろう。でもそれが僕には美味しさを引き立てた。

 

あと印象に残ってるのは、終戦後から建物が残ってるビアホール。名前は忘れた。こじんまりとした薄暗くて静かなお店だった。僕の他に2人のおじさんがいた。写真を撮っていいか尋ねて写真を撮った。

ここのオススメはかなりの強火で焼いたウィンナーだ。

どちらかというと、店の雰囲気でいえばここの店が一番好きだった。

 

それから日本でいう百貨店みたいな大きなデパートに行った。テディベアやBMWとかベンツの模型のおもちゃなど観てまわった。テディベアを彼女のお土産にしようと思った。

最上階でフードコートがあった。

とりあえず近くの椅子に座って観察した。

どこにレジがあって、どう買い物をしているかを観察した。そして人の流れを理解すると僕は歩き出し、買い物した。

僕はドイツに観光しに来たというより、観察しに来たと言った方が正解かも知れない。

観察し理解し動く。この連続だと思う。

観察し理解し動く。

 

ローゼンタールという陶磁器のお店にも行った。ここには日本女性が1人働いている。40か50歳くらいの人だ。この女性に少なからず救われた。今はどうしてるだろう。ここでプレートを二枚買った。

 

街のルールにも慣れてきたら電車に乗ろうと思った。看板を見てここからどこまでが幾らか分からなかった。仕方がないのですぐ近くに女の人が座っていたので、勇気を出して声を掛けて見た。大学生くらいだろうか、彼女はびっくりして、イヤホンを抜いて僕を見た。ここに行くのに幾らかかるか聞いてみた。彼女は無料だと答えた。僕はとても喜んで電車に乗り込んだ。

 

幾つか伝統のある建物に行った。ひとつ京都御所のような庭の所があった。僕はベンチに座って空を見上げた。空は日本で見る空と全く同じに見えた。

あと小さな教会にも入った。教会に入るのは初めてだった。とても静かでお香が焚いてあった。僕は椅子に座った。

観察し理解し動かない。

30分くらい座ってそれから教会を出た。

 

そして僕は帰路についた。帰る日が1番ドキドキした。まずホテルのチェックアウト。トラブルが嫌だったので、冷蔵庫もテレビも使わなかった。そして何より帰りの電車。駅に着いて、さて、と僕はタッチパネルの操作盤と30分くらい睨めっこした。まず英語訳にするにはどこを押せばいいのか。すべてドイツ語なのだ。

どうしてドイツ語を勉強しなかったの?

僕の頭でこだました。

なんとか切符を買い、それから間違えないよう電車に乗った。ドイツの車窓からは、僕を陰鬱な気持ちにさせた。のどかな畑、誰かの帰りを待っている家々。

空港に着き、ビールを買おうと思った。

唯一空港でビールを造ってるスカイビアーという名前だったと思う。

でも誰に聞いてもわからないと言う。仕方がないので諦めて帰国の準備をして搭乗席に向かった。

 

帰りの飛行機はずっと寝ていた気がする。たまに目が覚めると僕に毛布をかぶせてくれていた。ありがとう。そしてまた眠った。

 

日本に着陸して、飛行機の中、ひょっとしたら彼女が迎えに来てくれているかも知れない。来てくれたら嬉しいと思った。いろいろ検査して荷物を受け取り外に出た。でも彼女はいなかった。まあそうだよなと思い、自分の部屋に帰った。スーツケースを返さないといけないのとお土産を渡したいから電話した。

スーツケースは郵送して欲しいと言った。

ん?車で行くよと言ったけど郵送して欲しいと言った。

何か様子がおかしいと思いながら、スーツケースを梱包して郵送した。

そして彼女に会い、テディベアのお土産を渡した。ありがとうと気まずそうに受け取った。

そして別れようと言われ、僕たちは別れた。

 

僕の海外旅行は元彼女との関係は切っても切れない思い出です。

ドイツ旅行の思い出を走り書きで綴っていたら、元彼女の思い出も浮かんできました。

これはこれで良い体験だと思い、今週のお題はとても僕にとってとても意味のあるブログでした。